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赤ちゃんからの読み聞かせ~ブックスタート運動~(11月4日)

昨日は、やっと休みになったという感じです。午前中は、高校の同窓会の催事に行き、午後からは大学時代の母校の「研究発表大会」がありました。大会のテーマは、「自立した学び」です。

まず初めに基調講演がありました。講師は、はるばる鳥取県境港市からおいでになった「本の学校」生涯読書をすすめる会の代表のA先生でした。講演の初めにブックスタート運動の広がりについて話されましたが、私は、「ブックスタート」という言葉は、はじめて聞きました。この運動は1992年イギリスで始まり、2000年に日本に紹介され、ブックスタート運動が開始されました。

日本では、現在全国60%の自治体が、ブックスタート運動に取り組んでいます。その運動とは、市町村で生まれた赤ちゃんの6ヶ月健診の時に「すくすく幸せに育ってね」「地域みんなで子育てを応援していますよ」といった気持ちを添えて、絵本2冊、コットンバック、子育てに役立つ資料、絵本リスト、図書館利用登録カード(生後6ヶ月の赤ちゃんに)の入ったブックスタート・パックを手渡しています。ただし、その年の行政側の予算によって、パックの中に入るものの数が多少異なることもありますが、本2冊、バッグ、図書館利用登録カードなどは変わりません。

1982年頃には、日本でも新生児研究が進んで、出生直後の赤ちゃんにもさまざまな能力が備わっているということが明らかになりました。つまり、従来は、出生直後の赤ちゃんは目も見えず、聴覚はあっても音を聞き分けることはできないと考えられていたのです。さらに最近は、胎児・新生児研究が進歩し、「人間の子どもは、『かれを大切に愛さざるをえないでいる人びとのなかへ、そして自分もそれに十分応えうる存在として生まれ出る』(岡本夏木『子どもと言葉』岩波新書22ページ)と書かれています。

この運動では、生後6ヶ月から読み聞かせを奨励していますが、実際には、胎児や新生児であっても、効果はあるとの事。読み聞かせによってもたらすものとしては・・・・・
①愛情体験  自分が愛されているということ実感する
②共感体験  人と心を通い合わせ、喜びを分かち合うことを実感する
③自尊感情  自分が素晴らしい存在であるということを実感する

ということであり、実際に読み聞かせを受けている6歳の子どもでと読み聞かせをしていない子どもとの間で情緒的、社会的、知的の発達が、優位さが認められています。また、乳幼児でも、読み読み聞かせをすると、自ら発信し、ちゃんと相手に反応してもらえる中で、自分の存在が多くの人に与える存在であることを感じるとのこと。これを「サイクルの交換」といいます。その結果、自分と人を動かす能力をもって、喜んで受け入れてもらえるという愛着を感じ、親子の絆ができるのです。

ブックスタートは、ただ絵本を手渡すだけでなく、絵本を開く楽しい体験といっしょに温かなメッセージを伝え、赤ちゃんの健やかな成長を応援する活動です。したがって、この運動は地域の人たちが力をあわせて行う活動であり、図書館、保健センター、子育て支援センターやボランティアなどが赤ちゃんの幸せを願う気持ちを共有し、それぞれの専門性を活かしながら実施しているのです。合言葉は、「赤ちゃんの笑顔が地域を変える」です。

残念ながら、広島県ではまだブックスタート活動は行われていません。この運動を広島県、広島市が知らないか、理解してないのと、赤字財政ゆえに、行われていないのかもしれません。

しかし、私は出産前の1981年頃に出版された小児科医の小林登氏の「胎児は何でも知っている」を読んでいたので息子が生後3ヶ月頃から絵本を読んでいました。読み聞かせは子どもが10歳になるまで、続けましたが、読み聞かせをする時間は、本好きの私自身も楽しんで過ごすことができました。

その後、子もが通園した幼稚園では主任保育士さんが絵本や読み聞かせを研究している人だったので、母の会で絵本について学び、最終的には手作り絵本を作るところまでいきました。子どもが卒園する前には3冊の手作り絵本を作りました。今、思えば、なんと楽しい時を過ごしたことかと思います。ただし、息子に「読み聞かせがもたらしたもの」の影響あるいは成果があったか定かではありませんが、私自身が息子に感じることは、この3つについては、なんとなく彼には、備わっているよう思います。

by eastwatery | 2007-11-04 23:52  

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