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北原照久さん(4月24日)

時々、TV番組「開運!何でも鑑定団」を観ています。さまざまな専門家が鑑定士として登場します。その中で、私の好きな人の一人がブリキのおもちゃのコレクターであり、「横浜ブリキのおもちゃ博物館」館長の北原照久さんです。以前、横浜に行ったときに友人が「横浜ブリキのおもちゃ博物館」へ連れて行ってくれました。思ったより小さな博物館でしたが、小さな空間にびっしりといろいろなおもちゃがあり、館全体が温かな雰囲気に包まれていました。

ある小雑誌に評論家の大宅映子さんと北原照久さんとの対談が出ていました。それを読んで博物館の温かな雰囲気が分かるような対談内容でした。北原さんは、上二人の兄弟が優秀であり、いい子だったために中学校の段階でグレってしまって退学になったということです。義務教育である中学校で退学になるとは、普通のグレ方ではなかったのでしょう。しかし、退学になったときお母様が「お前の人生は、これからのほうがずーっと長いんだから」といわれ、彼自身は救われたと思ったそうです。そのようにおおらかな両親が、そんな自分でも認めてくれる、と思ってとても幸せだったとの事。

彼はその後高校へ進学し、そこで褒め上手の先生に出会い、褒められるとがんばる、という循環をくり返し、とうとう卒業時には総代になり、「自分のことは自分で信じる」大切さに目覚めたそうです。平原綾香の「JUPITER」の中に『夢を失うことより悲しいことは、自分を信じてあげられないこと』という歌詞の通りだと、北原さんは言っておられます。

なぜか? 自分を信じられない人は波動が下がってしまい、周りの人も同じレベルの人ばかりになってしまうのです。しかし、自分を信じて波動が上がってくると、高い人たちと引き合うようになり、向上心が湧いてくるようになるのです。これは、俗にいう「類は類をもって集まる」と言うことでしょうが、実際に人生の中で北原さんが経験しているだけに説得力があります。パワーをもち、テンションの高い人と付き合うことが、自分の人生を好転させる鍵とのこと。

その話を受けて、対談相手の大宅映子さんにより父親である評論家の大宅壮一さんがよく言っておられた3つのことを紹介されていました。「本を読め」、「旅をしろ」、「ボルテージの高い人と会え」ということです。「本を読む」ということは誰でも、どこでも言われていることだし、「旅をする」ということも、国内国外にかかわらず自分の知らない土地へ行き、別の世界を見て、全く知らない人に会うことで、人生観まで変わる人もあると思います。「ボルテージの高い人」と言うのは、私の解釈では、「常に前向きで、エネルギーがあり、失敗を恐れない人」ではないかと思います。

話を元に戻すと、北原さんはその後大学入学後、学園紛争の真っ只中、父親から勧められてヨーロッパへ行き、ヨーロッパ文化と伝統に触れ、大きな人生観の変化を経験します。それまでは、日本全体がアメリカ文化を受け入れて、大量消費を良しとしていました。しかし、ヨーロッパの文化は物を大事にし、愛して長く使う、そして、ヨーロッパの人々は暮らしを楽しんでいました。そういう経験をして以来、北原さんは人生を180度変え、古いものを集めるようになったのです。しかし、それを商売につなげ、利益を出すようになるまでには10年間、1日も休まず働いたそうですが、なんともなかったとのこと。

彼は、常に夢を語り、その夢を実現するためだったら何でもできたといい、そういう経験から出てきた彼の言葉は「夢は言葉にして発した方がいい。言葉にすれば実現する」ということでした。「不言実行」ではなく「有言実行」ということでしょう。この考え方の根幹にあるのは、中学校を退学になった時、ご両親が寛容な心で北原さんのありのままを受容してくれたからだと思います。彼が、商売を始めた時でも、ひたすら夢を語って実現をしようと思った楽観主義と前向きな姿勢は、彼を丸ごと受け入れたご両親の気持ちというより哲学ア(?)から生まれたものだと思いました。

by eastwatery | 2007-04-24 22:34  

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