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「いじめ」について(3月4日)

昨日はNHKTVで午後7時30分から午後10時までの約2時間30分、「学校の先生」、「保護者・住民」、「地域での活動者」、「子ども」というグループにコメンテーターとして「大学教授、教育評論家、精神科医、弁護士など」が加わって、「どうすれば『いじめ』をなくすることができるか」について討論番組を放映されました。

子どもたちのグループでは、過去に実際に「いじめ」を受けてきた人たちや各地からいじめを受けた体験者も加わって討論に参加しました。地域での活動者は、コーディネーターやNPO・地域団体で活動している人たちなどです。

「いじめは、先生の取り組みにより、なくなるか」という問いに対して、自分が「いじめっ子」だった男性は、担任の先生の対応によっていじめっ子から変わることができた体験を話し、yesでした。その一方で、「いじめられた子ども」たちからは、「先生は、本気でいじめのことを考えてくれない」、「いじめられていることを先生に言おうとは思わない」、「先生に言ったら問題が大きくなるので言えない」など先生と子どもたちの間に信頼関係ができていない例が多く出されました。それに対して先生側の一人が「1クラスの人数を30名くらいにしないと、対応できない」という意味のことを言っていました。それはもっともなことだと思いました。今のように1クラスの任数が40人近いと一人ひとりの子どもたちを、しっかり観ていくことは難しいのです。

このテーマに関しては「先生だけの対応ではいじめはなくならない。いじめについては家庭教育が大きく影響している」という意見などが出され、これが結論になりそうな時、いじめについて地域でコーディネータをしている女性が、学校・家庭と子どもたちを結ぶ役割としてコーディネーターがいれば、子どもたちの声を聴いて学校・家庭へ、その声を届ける第3者的な役割ができ、実際にそれでいじめを解決していると、話しました。

精神科医は、「いじめ」については「いじめっ子」も「いじめられる子」もどちらも自尊感情がないところに原因があると、説明しました。また、多くの人から出てきたのは、家庭でも学校でも、子どもの間でも、地域でも、人と人とのコミュニケーションが不足してい
ることを挙げました。それは、すなわち人と人との間に信頼関係がないことにもつながっているということなのです。信頼関係がなければ自尊感情もなくなるのです。

いじめられた経験のある女子大生は、一人でも自分を受容してくれる人、話を聴いてくれる人がいれば、いじめに耐えられると言いました。また、もう一人の女性は、父親が何度も学校に行って先生と話をして解決するまで、いじめと対決したことにより「両親の愛」を感じて立ち直ったといっていました。しかし、「親が学校へ行く」ことについては、賛否両論があり、ここが「いじめ」を解決することが難しい点だと思いました。

男性の教育評論家は、いじめを解決するシステムを学校・家庭で作っていけば、いじめはすぐ解決する、しかし、現在のように「○○が悪い、△△が間違っている」と言うように悪者探しをしていれば、いじめ問題は解決しないと自信を持ってシステムを提案しました。
それは、いじめっ子はある基準を設けて警察に引き渡し、罰則規定を作る、というシステムでした。そこで、会場ではいじめっ子に対する罰則規定について、熱く議論されました。

2時間半ですから、外国の例からのVTRや体験者のイメージ映像で再現ドラマを放映するなどしていました。しかし、時間が進むにつれ、司会者が答えを求め易いこと、大人が発言しようとすることなどがあって、私は明らかに子どもからの意見を聞いていないことに焦燥感を持ちながら聴いていました。夫と共に観ていたので夫に「何で、子どもたちの意見を聞かないのだろうか?」と何度も尋ねたり、言っていました。

いよいよ終わりが近づき、あと10分もないくらいの時に、初めて一人の女子大生が「何で、私たちの声を聞いてくれないのでしょうか?私たち子どもが、問題としていることなのに・・・」と意見を言ったとき、アナウンサーも初めて事の重大さに気づいたようで「そうでした。私が迂闊でした」と言うようなことを言い、残りの時間全部は子どもたちのグループ数人から意見を聞く方向に変えました。

どうしてこの議論に参加している人たちは、そのことに気づかなかったのでしょうか?
「子どもの体験や意見を十分に聴く」というのはこの討論番組では鉄則だと思っていました。しかし、あのような雰囲気の場にいると私も同じように気づかなかったかもしれません。それは賛成、反対のどちらかで答えを出すべきという方式なので答える方は、かなり緊張し、プレッシャーを感じると思ったからです。

いじめに関する私の結論は、命を守るためには「不登校」や「転校」をしても良いと先生や親が寛容になって認めることだと思いました。また、子どもの気持ちや言葉を十分に聴くことも重要だと思いました。

by eastwatery | 2007-03-04 21:31  

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