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NHK広島の取材(11月3日)


昨日、NHK広島から社会人学生の取材をしたいので、協力してほしいとの電話があり、電話でいろいろ話した。しかし、社会人学生も性別、年代、学習分野、職業の有無などもあり、どの人を取材してもらうかは、NHK側がしっかり考えを示し、どんなテーマで放映したいかによる。そういうことから、電話で30分あまり話しても埒が明かないので、今日午前中にNHKのディレクターと話し合うということになった。

話し合い場所の広島まちづくり市民交流プラザにいらっしゃったのは、今年大学院を修了し、NHKに入社したばかりの新進のディレクターのKさんだった。彼女は、常に私が話すことを傾聴し、おもむろに質問をし、新人とは思えないほど落ち着いて対応し、的確な質問をされるのには、「さすが!」と思った。

「社会人学生ネットワークきらめき(SGネットきらめき)」を立ち上げた契機などを話した後、Kさんがテーマとしていること、取材したい人たちはどういう人か、ということを尋ねたら、「専業主婦の後、社会人入学をした現役の大学生」ということであった。彼女は専業主婦をする中で大学進学をしたいと思っている人を励ましたいという気持ちがあるようだった。

「SGネットきらめき」の会員は30数名いるが、その中で、その条件に当たる人は一人しかいなかった。最近の社会人入学生の属性は変化しつつあるとは思っていたが、今回きちんと調べてみて、時代の変化を実感した。かって、女性の社会人学生と言えば、ひたすら「家事・育児」に専念し、自分の思いを秘めていた人、あるいは、大学入学時に自分の思う学科へ進学できなかった人(女性は家政学部、文学部、教育学部など)、そして、18歳時点で何らかの理由で大学進学をすることができなかった人が多かった。そういう人たちが、ある程度子どもが自立した時点で、長く温めていた自分の夢を実現する人たちが多かった。

しかし、最近は職業をもった女性が、30~40歳代で新たな分野で学習・研究をして、資格取得をしたり、新たな職業に就きたい思う人が出現してきたのである。また、今年の例では、公務員の女性が退職を早めて大学受験をするということもあった。(結果は後10日後)。男性にしても、9月に中国新聞社が社会人学生のことを記事として掲載した時、例会に参加した人は、50代初めの男性で、40代後半で退職し大学生となり、来春は大学院入学予定ということであった。発達心理学から言えば、人間は何歳になっても死ぬまで発達することができるといわれている。ということは、自分次第で、いくらでも学習・研究もできるし、向上していくことができるのである。来年の団塊世代の大量退職で、社会人入学をしようとしている人は、多いのか、どうか今の時点では分からないが、ぜひ、社会人学生に挑戦してほしいと思っている。

今のところ、Kさんが取材予定の人のうち、40代の大学院生と大学院入試に合格した女性二人は、取材を承諾してくださった。ところが、肝心の「専業主婦の後社会人学生になった50代の女性」からは、学業が多忙なため取材は断りたいといわれてしまった。マスコミに登場することに対しては、多くの人にいい刺激を与える場合もあるが、(特に日本の場合)取材された本人は、周囲からバッシングされることも多々ある(このことは、私自身が何度も経験している)。ディレクターのKさんには、目玉の人の取材ができないので、残念であろうと思うが、これは個人的な理由もあるので、仕方がないと思っている。

特に女性の場合、自己実現や自分らしい生き方を求める時、そういう気持ちの強い女性ほど「自分らしく生きる」と「女性らしく生きること」の間にギャップを感じ世間の目を意識し、自分が社会人学生であることを周囲に隠して学習しなければ・・・という辛い状況がある。もっと人々が「自分らしい生き方」をする人を温かく見守り、応援する意識を持ってほしいと思う。

by eastwaterY | 2006-11-02 21:25  

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