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ピ ア ノ(10月15日)

私が、47歳で大学の初等教育学科へ入学したとき、ピアノを弾くこと、また、それから進んでピアノを弾きながら歌を歌うことが必修でした。私の世代では、よほどのお嬢様でない限りピアノなど弾ける人はいません。もちろん、母子家庭で育ち、やっと高校を卒業した私もそうでした。

大学2年のときにピアノの授業が始まりました。48歳の時に始めてピアノを弾くことになったのです。ピアノを弾くことは、前からずっと憧れていたことでしたが、これが授業となり、必修となると、これはもう憧れなどという優雅なものではならなくなりました。他の教科の学習と並行して、そして、もちろん家事と並行してピアノを上手になることが必要です。大学内でも家庭においても、とにかく空いている時間は、すべてピアノを弾くことに当てました(電子ピアノでした)。まず、右手と左手の指が違う動きをしなければいけないのが大変でした。でも何とかなりました。

そうして、前期はバイエルの何番だったか忘れましたが、なんとかクリヤーすることができました。さあ、次は後期です。後期は弾き歌いをしなければいけません。これは、右手、左手の問題どころではありません。ある日、いつものように歌を歌いながら、ピアノを弾いていました。そうしたら、息子がこういったのです。

「おかあさん、歌が良かったら、ピアノがおかしいし、ピアノが良かったら歌がおかしいよ」と。もちろん私は、どちらもちゃんと弾けていると思っていましたから、驚きました。
さすがに、この弾き歌いには、先生も悩まれたようで、後期試験の時には、「左手は和音で
弾き、右手をメロディーで」と、いってくださいました。歌は忘れもしません「とんび」でした。「と~べ と~べ~ とんび そ~ら た~か~く~・・・」必死でした。何とか弾き終えましたが、採点はCでした。これは、大甘の採点だったと思います。でも、先生は、「そんなことないですよ。Eさんの一生懸命のがんばりに対する点ですよ」といってくださいました。

あれから、もう15年たち、今は譜も読めず、ピアノも弾けなくなりました。でも、今は何か楽器が使えたらいいなと思っています。今考えているのはオカリナを吹けるようになりたいということです。以前、何度も宗次郎さんのコンサートに行き、自然と融合したようなそのすばらしい音色に聞き惚れ、何時からか、オカリナを吹くことが夢となりました。
オカリナが吹けるようになったら、その次の「夢」があるのです。これは、少しでもオカリナが吹けるようになったら、人に堂々と言えるかも知れません。夢を実現させたいです。

by eastwaterY | 2006-06-15 21:57  

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