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「ローソン社長 新浪剛史さんの社会を生き抜くための教育とは?No.3」


新浪さんが3番目に挙げたのは、「大学入試を人格重視に」です。それは・・・・点数で切る、というという大学入試スタイルを続けてきたせいで子どもたちは試験に出る事しか勉強しなくなり、「金太郎飴型の人材」が多くなった結果、今の日本には、創造力のある人材が足りない、ということです。

新浪さんが、受験したハーバード大学は一般試験の後に自分についてのエッセーを書かせたり、面接する「人格重視の」の入試形式を実施しているとのこと。日本の今の入試スタイルをしていると子どもたちの可能性の芽を大人の都合で積んではいけない。だから、このようなハーバード大学方式を日本の受験にも取り入れてみてはどうか、と新浪さんは提案しています。

私の親友の一人はカナダ人と結婚し、現在3人の成人した子どもがいます。2人は大学を卒業し、一人は大学院修了後、研究生としてまだ、大学に残っています。大学を卒業した二人のうちの一人は、卒業後アルバイトをして資金を作り、昨年1年間はヨーロッパの何カ国かを訪れ、いろいろな国の人と交わり、そして、今は、ヨーロッパで知り合ったバングラディシュの友人と二人とワーキングホリディでオーストラリアへいます。もう一人は、卒業後、しばらくアルバイトをした後、今は、埼玉県のある中学校で1月から1年間英語のアシスタントティーチャーをする予定とのこと。

というように、3人の子どもたちは、大学卒業後ゆっくりと自分探しをし、自分が何に重点を置いて仕事をしていくか、を考えている最中です。その間に外国でいろいろな人やコト、モノに触れ合って、人生を考える時間があるのです。しかし、日本の場合は、そんなことをしていては、就職はできません。

しかも現在のように不況になってくると、より良い人材を目指して、大学3年生の後期から就職活動をしなければいけないし、それでも今は50~60%くらいしか内定が出ていない状況です。ましてや、1年間外国で暮らした人が帰国して就職しようとした時には「第二新卒」になってしまい、就活はますます難しくなってくるのです。卒業後の1年間の経験を評価する考え方が企業にはありません。

日本の場合は、浪人、留年はダメ、とにかくストレートで大学入学、卒業しなければ就職が難しいのです。新浪さんが、受験のためだけの勉強しかしなくなったことを憂えていますが、そのことは「金太郎飴型の人材」を輩出するだけでなく、本当の意味の実力が身についていないと思います。実力は知識と経験の両方を取得して、初めて理解でき本物の知識になると思います。そして、この知識は知恵となり、単に「知っている」だけでなく「応用や、活用のできる」知識になる、と私は思います。

この力が「生きる力、生き抜く力」へつながっていくと考えます。そうなると日本人特有の「多くの人がやっていることが一番良い」、「個性がなく、自分の考えを持たず、従順な人間」が求められということです。これでは、「生き抜く力」は、育成できません。このような考え方は日本人の多くの人が持っており、一般的な枠から外れると、バッシングが始まります。

私が社会人として大学・大学院へ進学した時、息子が高校生オーストラリアへ留学した時、いろいろとバッシングがありました。なぜ、温かく応援するという考え方で、その人の人生を考えることができないのでしょうか? バッシングがいやであれば、「金太郎飴型の人材」が一番無難ですが、それでは「自分らしく」生きることはできません。自分が納得した人生を送ることができません。しかし、バッシングを乗り越えたら、たくましくなり、少々のバッシングにはへこたれなくなります。新たな価値観を身につけて、生きていけるようになります。

現在、日本の若者が外国へ行くこと、外国へ留学することに対して意欲がないといわれています。日本にいれば安泰かもしれませんが、それではこのグローバルな時代に他国の人たちからどんどん遅れをとってしまします。単なる学力だけでなく、さまざまな経験や人と出会うことで、一人ひとりその人らしい人格が形成されると考えます。

by eastwaterY | 2009-12-29 20:27  

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