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「働く幸せ」を感じていますか?(2)

11月13日に書いた「働く幸せ」を感じていますか?(1)の続きを書きます。

大山さんはジャパンタイムズの記者が大山さんに語った、日本と欧米の「雇用」に関する違いについて話されました。
つまり、
*欧米は、普通の仕事ができれば雇用する。しかし、障害があったら雇用しない。
* 日本は職人文化を持っており、手取り足取りで障がい者に解るように教えるので、
障がい者を雇用することができる。・・・・・・とのこと。

私が思うに、欧米の場合は、福祉が整っていて障害者を単なる「障害をもった人」と解釈するだけで、そこには「どんな人にも可能性がある」と捉えていないのだ、ということです。
しかし、日本の場合、「一人ひとりの可能性を信じ、そこに障がい者に対する思い・心があって
健常者と同等に考え、思いやる心がある」と思いました。
ただし、私は「健常者」という言葉をあまり好きではありません。というのは誰も好き好んで障がい者になったのではないからです。健常者でもいつ何どき、交通事故や病気で障がい者になるかわからないし、高齢者になれば、程度の差はあれ、ほとんどの人が障がい者になると思うからです

ベルギーでは、字を読めない重度の人を雇用した場合、国が企業”に対して給料を払う制度がある、とのこと。しかし、これは企業には国から給料に値する金額が入ったとしても、これは障がい者の立場に立った雇用の考え方とは思えません。"物“だけの考えで"心"がないように思います。
障がい者の立場に立ったスキルを身につけるという考え方はありません。

ところで、「福祉」の意味とは? 漢和辞典で調べてみると「福祉」に共通するもの「ネ」(しめす偏)の意味は“
神様が人間に幸せを与える”ということであり、同時に「福祉」とは“物心両面が揃って幸せである”ということです。
 
福は・・・・人間が物に困らないための幸せ
                                   2つを合わせて→ 神様の恵み
祉は・・・・人間の心の中に宿って人間を幸せにする

この考え方からするとベルギーの方法は純粋な「福祉」とは言えないと思います。
かって、日本理化学工業は、「本来なら施設で見るべき人を雇用し地域貢献した」という理由から
渋沢栄一賞を授与されたそうです。大山さんの考えでは、障かい者が一生就職できていることは「国、企業、障がい者、障がい者の家族」の四方両得だということ。
障がい者が一生働き、地位の中で自立した生活ができるということは、家族にとって、特に両親にとっては将来について不安感を持つことは少ないと思います。
大山さんは、障がい者の従業員が、退職までに少しでも自立して生活できるように、障がい者用のグループホームを建てました。このグループホームでは、障がい者の人たちのためにホームのスタッフが金銭管理をすると共に社会の常識等を教えているとのこと。そして、退職後は、川崎市に退職後グループホームを出た人たちが、高齢者施設のホームに入居できるように依頼して、そのように実施されているとのことでした。

また、大山さんは、作家の村上龍さんの「人のために一生懸命行ったら、ブーメランのように、その人に幸せが戻ってくる」という言葉を紹介し、自分の考え方、生き方として・・・・・・
「人間が幸せになるためには、人のために働くことであり、そのことが人に幸せをもたらす」と
いわれました。

この会社で素晴らしいことは、最初に雇用した二人の障がい者の人たちは、66歳で今でも元気で働き続けているそうです。この会社では、定年制度ではなく健康で働くことができれば、働くことができるシステムになっているということでした。

最後に、大山さんは、「“働く”とは、人に必要とされ、人の役に立つこと、そのために一生懸命頑張れば、みんなに応援してもらえる。このことを知的障害者に教えてもらった」と感謝の言葉で締めくくられました。

福祉については後進国だと思っていた私にとって、会社のトップの人たちの考え方によって、
欧州の福祉以上の事を実践している会社が日本にあるということに対して、たとえ一社であろうと日本人の良さを再発見し、将来に少しながら灯りがともったような気がしました。
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by eastwatery | 2010-11-17 22:30  

「働く幸せ」を感じていますか?(1)

人間の究極の幸せは、 人に愛されること
人にほめられること、 何かの役に立つこと、
人から必要とされること。

このうちの愛以外の3つは、
働くことによって手に入れることができる。

しかも一生懸命働けば、
愛すらも手に入れることができる
それを知的障害を持つ人々の
懸命に働く姿から教えてもらった。   『働く幸せ』 大山泰弘 著より

今日は、午後6時半~8時半の2時間、『働く幸せ』の著者、日本理化学工業(株)会長の大山
泰弘さんの「“働く幸せ”を感じていますか?」というタイトルの講演を聴講しました。
講師の大山さんは、「働く幸せ」について知的障がい者雇用の取り組みの実践から講演してくださいました。
 
大山さんが会長をされている日本理化学工業(株)は1937年創業でし、事業内容としてはダストレスチョーク(粉の出ないチョーク)、キットパス、プラスチック部品製造・販売です。従業員は
76名でその内70%(56人)の人たちが知的障がい者です。では、なぜ、大山さんは多数の知的障がい者の雇用モデルの工場をつくったのか、ということです。

昭和34年、養護学校の先生が「知的障がい者を雇用してほしい」と依頼された事が契機になっています。最初は、「そういうことはできない」と、大山さんは断ったそうですが、3回目の訪問の時に先生より「就職することができないのであれば、知的障がい者は一生施設に入り、働くことをしなくなる。せめて2週間だけでも2名の実習をさせてほしい」と依頼されたとのこと。当時、大山さんは、それを決定することに迷っていたそうですが、尊敬しているお寺の住職さんに相談したところ、「人間の究極の幸せ」について、このブログの冒頭に掲載している5つの事を教わったとのこと。
そして、こうも言われました。「知的障がいの人たちの幸せは、福祉施設に入って大切にされることではない。幸せにするのは施設ではなく、企業が彼らを幸せにする」と。

大山さんは最初は障がいの人たちへの同情から、とりあえず2名の人を実習生として受け入れました。ところが、2週間の実習が住んだ後、共に働いた従業員の人たちが「二人は一生懸命、まじめに働いている。今後も自分たちは彼らと一緒に働きたい」と言い、翌年には二人を採用をし、それ以後、多くの人が雇用されるようになって、現在、56名になっているということです。
彼らを雇用するにあたって、大山さんは知的障がいの人たちが、従業員と共に効率よく働くには、どうすればよいかを熟考されました。字も読めない、書けない、計算も出来ない人達。
いろいろと考えている時に、彼らが信号を渡って一人で会社に来ていることからヒントを得て、
赤、黄色、青の3色のチョーク用の筒を作り、そこに各色野チョークの素をを入れていくことを思いついたとのこと。

一旦、このシステムが出来たら、彼らは本当に真面目に、しかも正確に作業を確実にしていくので、品質が良く、しかも考えた以上の本数ができるようになりました。職場では、上司が彼らの仕事に対して冒頭の言葉の一つである「褒める」ことを実行していきました。
要するに、「知的障かい者だからダメなのではなく、彼らに働いてもらうためには、その理解に合わせて段取りをすれば彼らはできる。そして、「できればそれを褒める」をやっていけば、ますます意欲的になって仕事がはかどる」ということです。また、知的障がいの人たちは、純粋で、やさしく丁寧なので、ある程度経ったら、一人で3人の従業員を指導できるようにまでなっているとのこと。

ある時、小学校5年男子が工場見学に来て、知的障がいの人たちが働く様子を見て驚いたことを手紙に書いてきました。「びっくりしたこと・・・・字も読めない人がチョークを上手に作っている、すごい人たちだ。神様はどんな人でも才能を与えてくれるのが分かった。」と。

これを読んだ大山さんは、「神様は”役立つ事が人間の幸せ”として障がい者の人たちをつくってくれたのだ」と、感動し、障がい者人たちから多くの事を学んだ、と言われました。

私はこの話を聞いた時に、大山さんの謙虚さに心を打たれました。もちろん、神様がそのように人間をつくってくださっているとは思いますが、障がい者の人たちが、どうすれば働くようにできるかを考え、そのシステム(方式?)を立ち上げた大山さんの寛容さと思いやりの深さに大山さんの人格の素晴らしさに感動しました。

まだまだ、書きたいことがあるので、続きはまた、後日続きを書きます。
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by eastwatery | 2010-11-12 23:27  

60歳後半~70歳前半の友人との対話

このところ「お話しがしたいね!」という60歳後半~70歳前半の友人から声をかけられ、手作りの料理を食べながら、そして、食後のデザートを楽しみながら、話し続けることがありました。

話の内容は、お互いのこれまでの人生・・・・夫のこと、子どものこと、きょうだい&親戚のこと
そして・・・・最近の社会の動きや将来へ不安など、話せばきりがないほど話がはずみます。
お互いに結婚生活40年~50年近く。古稀を迎える頃となり、改めて自分の人生をふり返る時期かと思います。それぞれの子どもは、もはや社会人で育児からは手が離れているものの、「母親」というものは、いつまでも子どもの事は気になるものです。

もう一つの、気になることは年々、夫婦が年齢を重ねていくに従って、「これから夫婦で残り少ない(?)二人の日々を、どのように過ごしていくか・・・・心配であったり、楽天的であったり、この種の話も話し出したらきりがありません。
その中で思うことは、私たちの年代は、「夫の考え方や生き方に、歩調を合わせよう、とずいぶん気を使ってきた」ということです。厳しい職場環境で働いてきた夫たちは、定年後も「自分が上役であり、妻は部下」という気持ちがなんとなくあるようです。

そのような場面になったら、私は「すみません。私は、貴方の部下ではありません」と、ちょっと茶化しながら答えます。(「それは良いアイディアね。それ、いただき!」と言った人もいました)。私たちの年代は、ふり返ってみれば、妻は姑や小姑に気を使い、夫は、企業戦士として家庭を顧みることもできずに生きてきました。

そして、今・・・金婚式が近くなって、何が大事かと思うこと。「健康、そして二人で楽しく生きること」。そのためには、楽しめるだけの金銭的背景もある程度求められますが、これは「何に価値をおいて生きるか」によって、何とか解決できるのではないか、と思っています。

将来のことをいろいろ考えながらの日々ですが、小さな事に喜びを見出して生きること、6月から続けているウオーキングを、その日の体調に合わせて、これからも続けていくこと、少しでも自分で出来る社会貢献をしていくこと・・・・そして1日も早く孫をこの手に抱きたい!
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by eastwatery | 2010-11-08 21:10