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再び「生涯学習概論」を講義(12月17日)

昨年12月、母校の大学で「「生涯学習概論」を講義しましたが、再び教授からの依頼があり、今年は14日、約60人の学生に1コマ講義をしてきました。昨年、講義が終了したときには、教授より来年は「生涯学習」と「意識変容」で1コマずつ講義して欲しいと依頼されていましたが、今年は、協議会の仕事が忙しく、生涯学習を概論的に話すことしかできませんでした。

「意識変容の学習」は、学生にとってもかなり画期的な学習になり、新たな自分を発見するきっかけにもなるので、来年はぜひじっくりと講義したいと思っています。

ところで、今年のクラスは、昨年と較べると(少子化の影響か?)クラスの人数が15人くらい減って60人くらいでした。彼女たちは、社会教育主事、司書、学芸員の資格取得を目指して受講しています。昨年の講義と比較して見ると人数は少なくても、押しなべて真面目で真正面から私をしっかり見据えて受講する学生が多かったように思います。

教授から「今年は、昨年より理論的な話を少なくして、具体的な例を挙げながら、生涯学習を講義して欲しい」とのコトだったので、理論的には生涯学習のもっとも基本的な部分を話しました。生涯学習は主体的に「だれでも、いつでも、どこでも」学ぶことができるものであり、それは、「学習者中心」、「一生涯にわたる」、「全生活場面にわたる」ものであることなどです。その後「振り返りシート」により、各自のこれまでの人生をふり返ってもらいました。その後は、私自身が長い間「自分が主役の人生を送りたい」と思いつつ、そこに至るまでには長い時間を要したことや、思い切って第一歩を踏み出した後のことを語り、踏み出す勇気の大切さを話しました。

そういういことから得た事は、人生の後半は「下に向けて下がる」のではなく、自分の考え方や行動次第で「上に向いて上がる」こともあり、そのためには、今までの人生を否定せず、ありのままを受け入れ、新たな価値観を身につける重要性を話しました。

今年は、特に社会人学生の人たちの具体例を話しました。56歳で専業主婦から短大食物栄養学科へ進学し、卒業後は研究所で働きながら、その上の資格である管理栄養士を目指している人。彼女の場合は、彼女自身が変わっただけでなく、そうした彼女の生きる姿勢に刺激されたお連れ合いが、定年後彼女と机を並べて学習し、次々と資格を取得して、今では起業をしているという例を話しました。その他、結婚生活3年目の29歳の女性が、正社員でありながら幼い時からの夢の実現を目指して臨床検査学科へ進学。彼女の場合は、「学習履歴」のシートで人生と学習をふり返りながら「本当に自分はその夢を実現したいのか」を確認した後に受験勉強に入り、今では、充実した学生生活をイキイキと過ごしている様子を話しました。

その後、学習により多様な選択肢の中から自分がどのように生きい生きたいのか、選択できる能力を獲得することが必要であること、そして、自分が学習し充実した人生を送るようになった後は、自分の経験を活かした知恵を形成し、自分自身のための学習にとどまるのではなく、「自分の生をどのようにつなげていくか、が重要であることを話しました。

最後に、今年のスペシャルとしては、1年後に就職活動に入る学生のために『キャリア教育』について話しました。キャリアには「内的キャリア」「外的キャリア」があり、特に就職するに際して、「自分はどういう価値観を持って働くのか、自分はどう生きていきたいのか」が大切であるかを話しました。そして、「キャリアの三要素である意欲、能力、チャンス」の中ではチャンスが1番重要であること。そのためには、チャンスを前髪で掴むためにも、日頃から自分の生き方を考え、学習の準備をしていくことがいかに大切であるかを図を描いて話して終わりとしました。

驚いたのは、私が講義の終わりを告げた途端、後ろで目を輝かせて聴いていた3人の学生を中心として大きな拍手が起きたことでした。これは昨年にはないことでした。また、前列で終始食い入るように講義を聞いてくれた学生たちがいたことも感動しました。来年は、ぜひ2コマ連続で話したいと思いました。

by eastwatery | 2007-12-17 22:06  

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