堀田あけみさん~自閉症の子を育てる~

高校2年の時に「1980アイコ十六歳」で文藝賞を受賞した堀田明美さんが、AERA’07.7.23』に「自閉症の子を育てる」を書いています。

彼女には現在、小学校の養護学級に通っている小学校2年生のKくんがいます。彼は自閉症です。自閉症は、先天的な脳の障害原因と考えられ、言葉の遅れや対人的なコミュニケーションが上手にとれない広範な発達障害です。しかし、Kくんの場合は、言語に関する能力が非常に劣り、特に聴覚言語の処理が悪いので、会話が困難とのこと。

Kくんの障害が分かったとき、堀田さんは育児経験があり、発達障害についての知識もあったが、それでも大変だったとのこと。障害のある子どもを持つと「将来何になれるのか」「将来、何ができるのか」とありとあらゆる不安に襲われます。しかし、彼女は子育てが大変なのは障害のせいではない、障害がなくても子育てに不安はつきもの、と考えているからです。しかし、彼女は「大変なことほど達成感があって楽しい」と障害児をもつことも、子育ても前向きに捉えているのです。

しかし、障害児を持った場合「次の子どもをどうするか」という問題にも突き当たるでしょう。私の場合も、私が41歳の初産だったので、妊娠したときお医者様から「女性は40歳以上になると、卵子が古くなるので、ダウン症などの子どもが生まれる倍率が高くなる」と言われました。当初、私はそのことを気にしていましたが、「結婚20年目に授かった子どもなのだから、どのような子どもでも僕たちの子どもだから、そう思って育てよう」といった夫の一言で、何の心配もなく楽しんで出産の日を迎えることができました。

そして出産した途端、私は第二子を産みたいと思いました。そこで、また「次の子どもをどうしようか?」ということに突き当たりました。夫とこのことについて話しあった結果、もし何らかの障害を持った子どもが生まれた場合、私たちの死後、生まれたばかりの息子が、第二子の世話をするということになった時、それでいいのか?息子の人生はどうなるのか?と考え、第二子を持つことは諦めました。しかし、堀田さんの持論は、障害を理由に次の子をあきらめることはない、というものです。

Kくんは、表情が豊かで人懐こく、街でであった同級生が「Kちゃん」と声をかけてくれたり、K君がしゃべれなくても子どもたちは「おれはKちゃんが好きだから、Kちゃんがなんて言っているか分かるんだ」といってくれるとのこと。そのようなKくんから堀田さんは、多くのことを教わったといいます。たとえば、前向きになること、現状に満足することなどです。

もう一つ、「困ったときにはSOSを出すことは大切」と思い、「大丈夫じゃないから、助けて」と夫や周囲の人にも言えるようになったそうです。そして、最後に堀田さんは「この先、障害を持つ子と生きていくことが、どれほど苦しく楽しいか、Kから教わると思います。けれど、どんな状況でも楽しいことも一杯あるんだよ、といい続けていけたら幸せです」と結んでおられます。
私の甥が小学校教師になる前の大学生のとき、ボランティアで障害を持った子どもたちや母親と
触れ合う活動をしていました。そのとき甥は「おばちゃん、障害を持っているお母さんの方が、そうでないお母さんより余程明るく、バイタリティーに溢れているよ」と言ったことがあります。

おそらく、相当悩んだ末に、結論としては堀田さんのように「障害がなくても子育てに不安はつきもの、前向きに生きよう、現状に満足しよう」という思いに至ったのだと思います。そのように考えられるようになったのは、健常児をもつ母親よりも早く、人生を深く考えられるようになったのだと思います。私は、今でも「第二子を産んだ方が一人息子に対して良かったのか、どうだったのか」と思うことがあります。特に親の死後、きょうだいがいることが、どんなに力になることがあるか、でも、息子には何でも相談できる先輩やよき友人もいる、それで良かったのか、と思ったりします。また、堀田さんのこの一文を読んで、第二子出産について、もっと積極的に考えても良かったのかとも思いますが、とにかく今は、「これでよかったのだ」と思って生きていこうと思います。
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by eastwatery | 2007-07-19 19:27  

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