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「定年後の人生」における悩みは、「妻との会話」(7月9日)

昨日の中国新聞朝刊の「団塊SQUARE」に定年後の人生についてオヤジ座談会の概要が掲載されていました。

首都圏に住む団塊世代の男性(57歳~59歳)5人が、この座談会に参加し、その本音を語ったということです。彼らの人生観や生活環境などで「第二の人生設計」は、様々ですが、共通していたのは、妻や家族との良好な関係を保つためのコミュニケーションの重要性です。どうも、これが団塊世男性の最大かつ切実な悩みのようです。

民間企業から大学職員に転職したKさんは、午後6時には帰宅できるようになり、夫婦の会話は増えたとのこと。ところが自分は「年をとっても妻とずっと仲良くいたい」と願っているが、妻はどう思っているのか不安とのこと。また、会社経営をしているHさんは毎日帰宅が遅く家族の間で「父親抜き」の生活ができており、妻も含め家族との会話があまりなく「家に居場所がない」そうです。「家族のために一生懸命働いたが、家庭を顧みなかった事実は、いまさらどうしようもない」と半ばあきらめ気味。

自営業のHさんは、「元気なうちは妻と一緒に海外旅行、体力が衰えたら国内旅行」とは言うものの、妻が自分を「パパ」と呼ぶのが気になり、妻は母性の方がかっているのか・・・と。参加者からは「妻ともっと話さなければいけないと気づいた」という声が参加者から出たということですが、この会を企画した主催者は「妻との関係が良好だと思っている男性も、よく聞くと妻に自分の考えをきちんと伝えていない人が多い」ということでした。このことは、私が団塊世代以降の夫婦のコミュニケーションに関する講座をしたときも、男性側は、日本流に「言わなくても分かっているはず」ということが一番多かったようです。しかし、その一方で女性は「話さなければ分からない」と思っているのです。

それには、こういう夫婦の構図があるのです。子育てが一段落する50歳ごろを機に外部との交流が活発化してくる妻と「このままではまずい」と感じながらも仕事に追われて手を打てないでいる夫。これが、もっとも日本の夫婦の典型的な構図です。しかし、これは夫のせいでもないのです。社会・会社のシステムがそのようになっているので、個人の思いや考えだけで、このシステムを変えていけないところに要因があるのです。今、話題になっている「ワークライフバランス」(仕事と生活のバランス)が悪いのです。

先日の北海道旅行に参加していたのは、11組の夫婦でした。5日間皆さんと行動を共にしてみて、80歳に近い夫婦以外は、比較的よくお互いが話をする夫婦で、仲の良いカップルだと思いました。ガイドさんも、「多くの団体にガイドをしているが、今回のように仲の良い夫婦が揃ったのは珍しい」といっておられました。50歳代の夫婦でも手をつなぎあったり、お互いにいたわりあったり・・・。一つ面白いことがありました。私と夫が並んで写真を撮ってもらうように頼んだ人が撮影した後、私に向かって「奥さんですよね?」と不審そうに言われたこと。後から夫に「愛人か恋人かも?と思われたのかね」といい、二人で大笑いをしました。私たちは手をつなぐことはしませんが、カロリーオーバーを心配して各地でソフトクリームを食べるとき、必ず1つを半分づつ食べていたので、特別仲の良い夫婦と思われたのかも知れません。

もう一つ面白かったのは、ほとんどの夫婦において妻の方が財布・家計を握っているようで、夫側が何か買いたいと思ったり、食事の場でビールやお酒を飲みたい時に必ず、「買ってもいいか?飲んでもいいか?」と妻に尋ねていることでした。これも我が家とは全く反対でした。我が家は、夫の定年後、夫が家計を執り行っているので、私は必要なときに夫からお金をもらっているし、どこかで食事をしても、すべて会計は夫です。ところが、普通そのように男性側が食事代を払うのは、妻ではなく愛人なのだそうです。こういうことを私たち夫婦は、全く知りませんでした。

もっとも、旅行後2~3日たつと、多くの人は私たちが本物の夫婦だとわかったようですが、私たちは参加者のこうした誤解を結構楽しんでいました。しかし、私たち以上に、夫婦でよく話し合い、おしゃべりをしている夫婦もありました。その様子がなんとも言えず微笑ましく、私たちもそのような夫婦になりたいと思ったことでした。

by eastwatery | 2007-07-09 22:54  

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