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北海道での出来事(7月8日)

朝から、5日間車庫においていた花たちを部屋や庭に移しました。ペチニュアは思った
以上に弱っていて、何株かは根から枯れてしまっていました。残念ですが、これも仕方がないと思うしかありません。ひ弱な花たちの生命の短さを感じました。

北海道行きを決めたときに、まず、会いたい人が二人いることも楽しみの一つでした。ただ、中標津にいる後輩(といっても、30数歳年下)が長崎県から中標津に小学校教員として就職し、その地の人と結婚して二人の子どもと共に家庭を築いています。私が大学で副手として勤めているときに、よく研究室へ話しに来た人で、彼女の場合大学院修了まで入れると、6年間の付き合いでした。

本当は、7年ぶりくらいの再会なので逢いたかったのですが、彼女は今も小学校教員をしている上に、幼児が二人いるので、電話で話しました。彼女は、突然の私の電話に驚き、喜び、「休暇をとってでも会いに行ったのに・・・・」と残念な様子でした。長崎県出身の彼女が北海道の教員採用試験に合格し(地元も受験しましたが不合格)、教員になる夢の実現に合格先の北海道を選ぶという決断をしました。しかし、ご両親は彼女を北海道へ行かせることは、大反対。親思いの彼女は、「夢の実現と親孝行」の狭間でずいぶん悩み、よく相談に来ました。私は「最終的には、親は辛くても子どもの幸せを願うのだから、あなたは北海道に行くことができると思う」と私は親としての気持ちを彼女に打ち明けたことがありました。今回、北海道で就職だけでなく結婚までして、幸せに暮らしている彼女には会えなかったけれど、以前と変わらず長話ができたことは良かったと思いました。「でも、やっぱり逢いたかった」が本音です。

次に会いたい人は函館に住んでいる人でした。彼女とは、もう30年も会っていません。NZで居住しているとき、彼女も駐在員の妻としてNZへ来ていました。二人ともその当時子どもがいないということで、親密にお付き合いをしていました。やがて、私の方が先に帰国し、6年後に私は一人息子を授かりました。彼女は、すでに日本に帰国していて、その当時としては珍しいウエッジウッドのピーターラビットの子ども用の陶器の食事セットを息子に贈ってくださいました。その後も時折、電話で話したり毎年の年賀状は欠かさずやり取りをしました。お互いに年賀状には、必ず近況報告を書いていました。

ところが今年は、年賀状が来なかったので、北海道旅行をしたら、ぜひ彼女に会おうと決めていました。しかも、予め電話をしないで、突然の電話で彼女を驚かせようと楽しみにしていました。
そこで、函館に行く前夜、彼女に電話をしました。突然の電話に出たのは、彼女ではなく、若い男性の声でした。「甥御さんでも遊びに来ているのかな?」と思い、自分の名前を言い、彼女の名前を言いました。その後、年配の女性に電話を替わられました。友人のY子さんは昨年の4月に亡くなっていらっしゃるということでした。彼女は私とほとんど同年代、そのようなことを予想もしていなかった私は、次の言葉が出ませんでした。さらに、驚いたのは、彼女の死後6ヶ月後には、ご主人が妻の死亡を知らせる「喪中のハガキ」を書く準備をしている時に亡くなられたと言うことでした。子どものいない夫婦だったので、妻であるY子さんは「夫のすべて」であったそうです。だから、何の病気ということではなく、妻が死んだ後は「生きる意欲」をなくされたようで、次第に体が弱っていかれたとのこと。

私は、Y子さんの義妹に、NZではY子さんと親密にお付き合いをさせていただいたこと、その後も年賀状のやり取りをして近況を知らせ合ったことなどをお伝えしました。では、なぜY子さんの電話番号で話が通じたのかということです。義妹さんは、しばらくは私のような人もいるだろうということで、函館の電話番号を義妹さん在住の地に転送しているということでした。そのお陰でY子さんのことは分かったのですが、それは本当に思いがけない悲しい知らせだったのです。私と同年代だから、まだまだ元気と思っていた私の大きな勘違いでした。

人の命の儚さを感じた日でしたが、そういうことを今まで2回も私は体験しているのに・・・と自分の楽天的な性格を改めて思いました。2年前、28年ぶりにNZへ行く以前、私たち夫婦と共通の親友であったNZ人とNZ人と結婚した日本人女性の二人を癌と骨髄性白血病で亡くしていました。二人とも一度は容態が良くなったので、私たち夫婦が大学院修了後にNZへ行くとメールや電話で連絡を取り合っていたのですが、間に合わなかったのです。

今回はその時の無念さも思い出しながらY子さんを偲びました。そして、「その人に逢いたい」と思うのであれば、できるだけ早く逢わなければいけないと痛感しました。明日は花屋さんに行き、仏前に供えるフラワーアレンジメントを注文し、Y子さんの義妹さん宅に眠っている彼女のところへ届けてもらおうと思っています。

by eastwatery | 2007-07-08 23:08  

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