人気ブログランキング | 話題のタグを見る

人生の旬(6月20日)

食の伝道師を自認するMさんは、最近の食生活が乱れていることを憂えています。特に野菜の季節感のないことには、あきれていると言います。そういえば、スーパーマーケットに行っても、とまと、きゅうり、なす、かぼちゃなどの夏野菜が年中店頭に並んでいます。また、消費者である私たちも、そういう野菜が年中店頭にあることに対して、何の違和感も感じないで、料理をしています。

Mさんはプロの料理人として旬を先取りして、お客さんに提供する喜びを感じています。 だから、これからが旨い時季ですよ、とお知らせする、これがいわば予告のようなものであると言っています。それは、その時季その時季の野菜を旬のはしりに使うということです。また、その旬にも「はしり」のほか「さかり」、「なごり」があるとのこと。

それは、まるで人の人生にたとえることができます。たとえば、食材に旬があるように、ひとにも旬があります。はしりが青春なら、さかりは壮年、なごりは老境というところでしょう。
ところが、80歳前のMさんはこういいます。

「僕たちは野菜や魚とはちがう。 人生の季節をコントロールできるじゃないですか。 気分のもち方一つですよ。 たとえば、旬を感じる喜び、そして、それをいかに楽しもうか、という好奇心。それがある内は、人生、まだまだ旬ですよ。」と。

これは、まさに80年近く自分の人生の主役となって、自分の仕事に誇りをもって生きてきた人の言葉だと思います。また、この考え方は、サミュエル・ウルマンの詩「青春」に詠われている内容と同じだと思います。その一部は・・・・・・・

青春とは、人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ 
年を重ねただけで人は老いない 理想を失うときに初めて老いがくる
歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失うときに精神はしぼむ
年は、七十であろうと、十六であろうと、その胸中に抱きえるものは何か
人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる

これは、長い詩の一部で、「青春とはどういうことか」と一番表現されているところを私が自分の考えて選んだものです。Mさんが言う「気分のもち方一つ」というところが、いかに自分の心次第で、いつまでも若い心をもち続けて充実した人生を送ることができるか、を表わしています。

by eastwatery | 2007-06-20 17:11  

<< お話ししたいこと二題(6月21日) 女性であること(6月19日) >>