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聴くことの力(4月14日)

今日は、電話相談員研修会が午前9時30分~午後4時30分までありました。その研修内容は、弁護士による「女性と法律」、ソーシャルワーカーによる「女性と医療福祉」、大学非常勤講師による「聴くことの力」でした。今日は、相談員に一番求められる「聴くことの力」いついて考えます。

電話相談の大きな特徴は、相談者の利便性を中心としており、①即応性、②匿名性、③優位性です。①は予約なしで直ぐ電話相談ができること(その反面、相談員は心の準備ができにくい、②は顔を合わさずに相談できるので、言いやすい、相談しやすい(その反面、相談者が発言に対して無責任になりやすく時には作話もある)、③は、相談者のペースで始まり、終了する、ということです。

それでは、援助者としての相談員に求められるものは何でしょうか?これは3つの“K”です。

①感性(人の痛み、苦しみなどを感じる力、いかに想像力を働かせるか)
②教養(人間理解にかかわる思想)
③技法(テクニックを越えたarts, 対話する力、感情移入できる力、相手と自分を第3者の目で観る客観性)

これらのことを求められる相談員が、自分自身のことで気をつけなくてはいけないことは、「不愉快な感情が残りやすい、 あまりに熱中するとバーンアウトしやすい、対面相談より相談者がブレーキがきかないので、バランスをとることが必要」と言うことでした。先日、私が電話相談を始めてちょうど1年目になったのが、バーンアウトでした。熱心に取り組みすぎてしてしまい、バランスをとることができなかったのだと言うことが、今日の講義で良くわかりました。

ここまで講義を受けて、二人一組になって傾聴を試みた後、お互いに話し手、聴き手としての自分を振り返りました。このワークをやってみると、いかに自分がいい加減に相手の話を聴いているか、自分の枠組みを持って聴いているか、と言うことがよくわかりました。能動的傾聴をするためには、相手の言葉の背後にある気持ちを見抜く力が求められます。

その後さらに、「聴く」ワークを6人一組でしました。ここでは、一人1分くらい話した内容をいかに性格に聞き、相手にOKをもらうかということをしました。一所懸命聴いているつもりでも、相手からはなかなかOKはでません。しかも、事実のことを正確に聞き取り、それを伝えても一番肝心なその人の内面にある心や気持ち感情などを聴くことは難しいと言うのが、グループ全体での感想でした。

それにしても、ただの1分間、集中して聴いているつもりでも、いかに傾聴が難しいかがわかりました。私は昨年も同じ研修を受けているので、そうでもなかったのですが、初めてこのワークをした人は途中から「ごめん! 脳に酸素がいかなくなって、十分に話の内容を聴くことができない」と悲鳴を上げられました。何度もいろいろなワークをしたので、16時半の終了時には、みんなぐったりと疲れてしまいました。明日もまた、1日中研修があります。

少しでもいい電話相談ができるようになりたいので、明日もがんばってみます。

by eastwatery | 2007-04-15 00:29  

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