谷川俊太郎さんの詩(1月17日分)
2006年 01月 18日
日本では、ボランティア意識が欧米と比べて薄いといわれていましたが、阪神大震災を契機とをして、多くの人の中にボランティア意識が目覚め、少しずつ根付いていったと言われています。「人とつながって生きていくということ」、「人は一人では生き難い事」などを多くの人が知ったということだったと思います。「協力」できたのはお互いに中に信頼感と優しさがあったからでしょうね。
しかし、今日、もう一方でライブドアの株不正などの問題が浮上し世間を騒がせている事。そして、耐震偽装によるヒューザーの小嶋社長の国会での証人喚問と震災のことが薄らいでしまう事柄で1日が終わったような気がします。(震災のことに関するニュースは量的に少なかったようです)
証人喚問は、夫と二人でずっとTV中継を観ました。ほとんどの質問に「答える事はできない」という返事をする小嶋社長。どれだけの人が30,35年のローンを組んで我が家を手に入れながら、1年くらいで手放さなければいけないとう悲惨な状態にあるかということがわかっていないのか?、そのことについては自分が大きく絡んでいる事に対する「罪の意識」がないのか?イライラしました。
ホリエモンと小嶋社長の共通点を知っていますか? 正解は「二人とも自家用の小型ジェット機をもっているところ」です。そして、二人とも「お金を儲ける事」が人生の目的であり、彼らの中ではそれが何よりも至上主義になっていたという事でしょう。
こんな事を考えていたら、人間がいやになりそうです。
デモネ、こんないい詩があるのです。
そうっとそっと うさぎのせなかに ゆきふるように そうっとそっと たんぽぽわたげの
そらとぶように そうっとそっと こだまがたにまに きえさるように
そうっとそっと ひみつをみみに ささやくように (谷川 俊太郎)
ほっとしますね。優しさに一杯包まれて・・・・。この詩を紹介してくださったのは、中国新聞記者のNさんです。彼は鳥取の「野の花診療所」に取材に行き、院長である徳永先生の診察室でこの詩を見つけられたのです。
彼は、「昨年12月下旬、徳永さんに無理を言って、朝から晩まで密着させていただきました。明るさを失わずに、患者と自分自身に命を問い掛ける姿に、心から感動しました。「こんなおじさんになりたい」と思える、本当に記者冥利に尽きる取材でした。」と私とのメールに書き、この詩の全文を書いてくださいました。
この詩は、谷川俊太郎さん自身がこの診療所にこられてこの詩を創り、贈られたものだそうです。この詩を読んでいると、自分の心の中まで温かくなって、人とつながっていくときに大げさではなくお互いに「そうっとそっと」気持ちをわかり合えたらいいなと思うのです。
by eastwaterY | 2006-01-18 01:38