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今日 思ったこと(12月7日)

今日の広島は朝から雨が降り続く、寒い1日となりました。ふと、外に出て見ると庭の山茶花(さざんか)の花びらが少しずつ散っているようでした。この山茶花が咲き終わったら、次は私の大好きな椿の登場になります。星野富弘著『四季抄 風の旅』に椿をうたった詩があります。

木は自分で 動きまわることができない
神様に与えられた その場所で 精一杯根を張り
許された 高さまで 一生懸命 伸びようとしている
そんな木を 私は友達のように 思っている

星野さんは、教職に就いてしばらくした時、事故により首から下が麻痺していまい、それ以来、口で水彩画〔主に四季の花〕にこのような詩を添えて、これまでに何冊もの詩画集を出版なさっています。 この詩は、星野さんの日々の生活を通して、自分の気持ちと生きていく姿勢を詠っていますが、自分に与えられた運命をこのように受け入れるまでには、長い年月を要し、悩み苦しんでこられたことでしょう。そして・・・・「その場所で精一杯・・・・」という気持ちになられたのだと思います。

私は65歳になった今、これまでのことをふり返ってみると、人には、1人ずつ誕生以来、自分に与えられた運命があると思うようになりました。もちろん本人の努力もあるとは思いますが、与えられた運命に逆らえない部分もあり、自分が生きているその場で一生懸命生きていくのが、結局は幸せな人生を送ることができるのではないかと思うようになりました。

実は、今まで書いてきたこととは、ちょっと違うのですが、昨日から今日にかけて心に残ることがありました。1昨日・昨日と続いて研修を受けましたが、主催している側の以前からお世話になってきている人のお連れ合いが、突然お亡くなりになったことを1昨日、ご本人からお聞きしました。お悔やみは言ったのですが、11月にご逝去とのことで、仏前にお供えしていただくフラワーアレンジメントをその施設の近くで買い、昨日お持ちしました。

ところが、ご本人がお休みだったので、残念ながらそれをお渡しすることができませんでした。そこで研修最中の昼休みに、フラワーアレンジメントをしてくださった花屋さんにお願いし、ご本人の所へ配達してくださるようにお願いしました。初めは区域外だと言っておられたのですが、私が困っている様子を見て店長さんが「明日なら配達できますよ」といってくださいました。そして、配達先は、広島でも山側の住宅地で道路もかなり入り組んでおり、分かりにくい場所なので申し訳ないと思ったのですが、快く引き受けてくださいました。

たったこれだけのことで、商売だから当然と言われれば当然かもしれません。しかし、私がお願いしたフラワーアレンジメントは3,000円という価格であるし、初見の客で、しかもちょっとややこしい場所、それも区域外の地域に本来なら配達することを快諾してくださることはないと思います。私にとっては、このことは、1日も早くご仏前に供えたいという私の気持ちを受け取っていただいたということで、本当に嬉しいことでした。10分くらいで弔い用のアレンジメント(白い百合、小さな白い菊、白い花びらの縁が紫色で縁取られているトルコ桔梗、ちょっと緑がかった黄色の小さなカーネーション、それに羊歯のような葉など)が出来上がり、その組み合わせは、上品なお供えのお花となりました。私は、花もアレンジメントも大好きなので、初めから「活けられるところを見せてくださいね」といい、男性の店主さんがテキパキと花をアレンジされるのを、その方と話をしながらがずっと見ていました。

その店主さんの様子から、この方は自分の職業に誇りを持つと共に、花を買う人の気持ちを分かろうとしていらっしゃるのだと、その時に思いました。今日、星野さんの詩を読んで、「神様に与えられた その場所で 精一杯根を張り 許された 高さまで 一生懸命 伸びようとしている」という先述の詩が、その方の生き方と重なり、心の中がほわーっと温かくなりました。

by eastwaterY | 2006-12-07 18:37  

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