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傾聴について(5月5日)

4月末に電話相談員として「傾聴」について研修を受けました。講師の先生自身も以前からCAP(「エンパワメント」「人権意識」「コミュニティ」の考えを柱にした子どもへの暴力防止/人権教育プログラム)の活動を主宰し、非常勤講師のほか、刑務所の受刑者やある施設での電話相談もしておられます。

そういうことからまず電話相談をする場合の、相談者のメリットとして、①即応性(予約なしで自分の都合でかけられる)、②優位性(相談する人の利面性による)、③匿名性(誰にも言えない悩みがいえる)の3点があることを説明。時には、「性」についての相談も多いのでジェンダー(社会的・文化的に作り上げられた性差)やマイノリティ問題もよく学習しておくことも必要であるということでした。とにかく、日常的に常にいろいろなことを学ぶ事が適切な対応につながるということでした。

相談内容は、多岐にわたるため相談を受けるものとしては、 self-careを心がけ、感情をひこずらないことが重要であること。また、何よりもactive listeningを常に意識して聴くことが大切ということでした。ちなみに「聞く」は、「聞こえてくる事を聞く」ということであり、「聴く」は、「理解をしようとして関心をもって全身で分かろうと聴く」であり、「聴く」はトレーニングの必要があるということです。

ポイントをつかむ「傾聴」は
 ①相手の伝えたいことを聴き取る、②最期の一言までよく聴く、②じっくり聴くには、時にはメモが邪魔になる事がある(対面で相談を受けるとき書くことに集中していると表情が言葉より雄弁に語っていることを見逃す)、ということでした。

これらを学習した後、6人で①グループを作り話す人(1人)、聴く人(2人)、傍聴者(3人)で
役割を変えながらひたすら「傾聴」を心がけましたが、全員に共通していた事は、わずか
2分間でさえ、相手の言葉を一つも逃さず聴こうとすると、集中力が途切れて最期の方の話が抜ける事があるということでした。

これを何度も何度も繰り返しましたが、やはりなかなか完全に聞く事は出来ませんでした。
講師が言われるには、相談を受ける側は「3つK」を身につけることが重要ということでした。
それは、①感性(相手の気持ちを感じ取る、想像力)
     ②教養(思想<what> →そこで何が起こっているのかを見抜く事、この人の言って
い る事は、多くの人が言っていることであり。いわゆる「personal is political」
      という こ とです。
    ③技法(対話をする力→ 言葉の出てこない人とも会話をする力)  です。

そして、とにかく傾聴をして相手の気持ちを聴いた後は、「主体はあなたですよ」という感じ
で相談者がもっている潜在的な力に着目し、専門家に依存させない事が重要とのことでした。
したがって、相談を受けるものとしては、

①専門知識に依存しない事、 ②分かったつもりでいてはいけない。 要は、「自分は何も知
らない、あなたの事は何も分からない」という構えを持って相談に臨み、相談者に「他に何か
考えられる事は?」「一緒に考えましょうね」という問い掛けをし、「その後の選択はあなたです
よ!」と相手の力を信じる事が大切だということです。

大事な事は「表面にでてくる言葉に惑わされてしまっては、その背後に目を向けることができないので、相手の感情に巻き込まれないこと」を心がけるということでした。これは、難しいことです。提案やアドヴァイスをしてはいけないので、ひたすら聴き、共感をこころがけていると
過度になってしまう事があるので、つい感情に巻き込まれやすいのです。

これから、まだまだ研修がありますが、一つひとつが聞き逃せない、忘れてはいけないくらい
重要なことばかりです。今さらながら、自分自身で日頃から、さまざまな事を学習する必要が
あると痛感しています。

by eastwaterY | 2006-05-05 21:36  

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