妻を失うということ

NHKの「クローズアップ現代」は、その時々の社会状況の問題を取り上げて月曜日~金曜日の午後7時半から30分放送されています。

10月4日(月)には「男 ひとり残されて」が放送されました。以前から男性が配偶者を失うと、妻死亡後:3年で亡くなる、夫死亡後:15年で亡くなる、とデータでも示されていましたが、このたびこの番組をみても、感じることが多くありました。

妻に先立たれ、一人で生きていくことになった男性たち。その深い悲しみと日常生活が立ち行かなくなる様子を綴った手記が、最近相次いで出版されています。また、配偶者を失った人たちに対する最近の調査では、女性よりも男性の方が立ち直りに時間がかかり、死亡率も高まるという実態が明らかになってきているそうです。
毎日の食事をはじめ、健康管理や金銭管理もままならない男性たち。そうした遺族を支えようと支援を始めた医療機関や団体もありますが、その数はまだ極めて少なく、体制も不十分ということです。番組では、数人の妻を失った体験者の日々や言葉を伝えると共に、妻をガンで看取った後のつらい体験を著した垣添忠生さん(医者)をゲストに迎えて、“悲嘆のケア”はどうあるべきかを考える、という内容でした。
妻を失った後の最初の3か月というのは本当にひどい生活だった、と番組登場の全員が語っていました。数十年も共に生きてきた妻、伴侶を失ったということは、手足をもぎ取られたとか、あるいは半身を失ったような感じで、本当に精神も肉体もボロボロになって、酒びたりの、本当にひどい生活になってしまったとのこと。
これまでは、家に帰って、他愛ない話をしていたが、妻を失ってからは、夜、話し相手がいない、その相手がいないというのが本当につらかったということ。
結局、細かな事実を数十年間積み重ねてきたわけであり、それを顧みる相手、あるいはそういうことを話す相手がいないと、これも本当につらいということなのです。

「生きていてもしょうがない」という感じがあって、自死するような観念も時々頭をよぎりるものの、なかなかそれもできない状況・・・・・。どうやって生きていこうかと考えながら、現実問題としては、本当につらい毎日で、もう夜も眠れないし、食事とってもおいしくないし、酒もおいしいという感覚はなく、酔えないけれども酔うために飲み続けるといった、様子に、自分がこんなところまで落ち込むのかと思うくらい、ひどい状態だったそうです。

ある男性は、妻死亡後1年半たった今も、就寝時に睡眠導入剤を飲まなければ寝付かれない
ということ。また、別の男性は、夜半に目覚め、妻の事を思うと眠れなくなる、「あの時ああしてやればよかった、こう言ってやればよかった」と号泣する人もいました。
結局、テレビなんか見る気もしないし、新聞も大きい見出ししか読めないということ。つまり、関心がずいぶん減ってしまった。ここまで妻を失った男性が落ち込むとは、私は考えていませんでした。

この番組で一番私の心に響き、辛い思いをしたのは、次のような言葉でした。
本当に小さいことですが、例えば、外へ出ようとするときに、妻の靴がぽろっと、出てきたり、ちょっと引き出し開けたときに、ブラウスだとかショールだとか、見慣れた妻の愛してた遺品が出てくると、それを見て涙が出てくるというようなことで、自分が1人でいるときは本当に何度も泣いたというお話。

私も夫を失うというのではなく、新婚1か月後に夫がミャンマー(ビルマ)へ4カ月余り長期出張をしたことがあり、妻を失った人と同じような辛さと淋しさを感じました。
夫のYシャツをいつも部屋にかけていたのですが、それを見たり、また、夫が日頃使っていたものを見た時など、どっと涙が出たのでした。

では、妻を失った夫たちは、こういう状態がず~っと続いたのでしょうか? 登場した人たちの大分部は、そうでもありませんでした。しかし、立ち直る期間は人それぞれのようでした。ある人は、妻の死亡後、3か月、6か月、こういう状態が続いた後、、だんだんとこんな酒浸りな生活をしてちゃいけない、自分の生活見直して、少し体のトレーニングをしたり、食事もちゃんとしなければいけない、と思って規則正しく生活するようになったとの事。

それからがん検診も含めて、健康のチェックをするとか、そういうことで少しずつ前向きになっていって、6か月から9か月くらいたつと、どん底まで落ち込んでいったのが、上向きになっていったということでした。そして、体調がよくなっていくと、精神の具合もよくなっていって、ずいぶん前向きに物事に取り組むようになったということでした。また、現役の人は、仕事に没頭することによって、日中は苦しみは一瞬でも、忘れることができたということもあったそうです。

これらの話を聞いて、私が考えていた以上に、男性が妻を失った時のショック、辛さ、淋しさは深いものがあるのだと思いました。私の夫はこの番組は見ないといい、ゴルフの番組を見ていました。、私は番組終了後、あまりにも辛い内容なので、夫にこの番組の内容を告げることはできませんでした。しかし、さすがに気になっていたのか、朝のウォーキングの時に「昨夜のTVはどうだった?」と尋ねました。
私は概要をちょっと話しすることにとどめましたが、夫もそれ以上の話を求めることはしませんでした。

大阪には葬儀会社が主宰をして遺族会と名付け、月1回、お互いの体験を語り合う会を設けているということです。自分の思いを打ち明けることで、共感してもらったり、人の話を聴くことで、自分を客観的に見ることができるようになって、心が落ち着いてくるということがあるそうです。
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by eastwatery | 2010-10-06 19:49  

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