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理想の1/2結婚(2010年4月7日)

「男が女を養う」という考え方ではなく「稼ぎも責任も半分ずつ」という対等なパートナーシップで、結婚生活を送りたいという独身男性が増えているという。

しかし、この考え方は、本当であろうか。単なる頭で考えただけのポーズではないだろうか? というのは、私の知人の研究者によると、確かに「家事を分担する」と回答する男性は増えているのは事実ではあるが、実際に(具体的行動として)共働きの妻と家事分担をしているか、ということになれば「ノー」なのである。

「男女共生」を考えるときに、必ず出てくる言葉として「性別役割分担意識」というのがある。男女の関係を対等なものにしていくためには、この意識をまず変え、実行していくことが必要なのである。確かに様々な情報の影響を受け、とりあえず頭の中での意識は変わりつつある。
しかし、それを行動化することができない。つまり、観念的にはわかっていても、具体的に行動するという実践面(自分が関わること)においては、行動できていないのである。したがって、その双方のギャップを埋めていかなければ、本当の意味での意識は変わらないということである。
これは、「なぜ意識は変わらないのか」を明白に表している。また、意識が変わるカギは「父親」、「夫」が日常生活の中で具体的に行動を示しているか、否かが重要ということである。

これとは別に、対等な役割分担ができないという原因は、企業の中で、「性別役割分担」があり、男性の方が長時間労働になりやすいという現実がある。1999年4月より「男女雇用機会均等法」が改正され、雇用での女性差別は一切禁止となった。女性の活用という面では大いに評価されるが、問題は女性が男性と同様に長時間労働時なりやすくなった。「男性を含めた男女共通の労働時間の規制」がなければ、男性の家庭参加は望めず、「女性だけが仕事も家庭も」となり、過労死することになりかねない。

最近の若い女性の間では、このような社会・職場環境から、女性が自立を考えるというより、専業主婦思考が高まっているとのこと。再び、1960年代~80年代までの日本の高度成長時代「男は仕事、女は家庭」に戻ろうとしているのだろうか。この「性別役割分担」が効果的であったのは、あくまで「終身雇用」・「年功序列型賃金」制度が機能していた時代だったからである。

現在のように、デフレスパイラルの中に入ってしまうと、会社の規模に関わらず何時、会社が倒産するか、夫が何時リストラされるか、そうでないにしても何時から給与が極端に下がるか分からないのである。そのように考えると「専業主婦」ができるということは、かなり恵まれている一部の人たちだけなのである。

しかし、キャリアアドバイザー仲間の30代の女性が、「これからは妻も働く必要性がある」という話を同年代の何人かの人にした時、「そういう状況になったら、その時に考える」とか「実家に帰れば何とかなるでしょう」という答えが返ってきたとのこと。これが、本気で答えたのだとしたら、将来の日本、日本の家庭はどうなるのであろうか?

by eastwatery | 2010-04-07 22:04  

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